嚥下食提供の必須条件 Dysphagia Diets

1.摂食・嚥下障害高齢者ゲル状嚥下食の原理

 

Functional Property of Gelatinous Food for the Elderly and Patients with Eating and Swallowing Difficulties. –Case Control Study-

 

Setsuko Kanaya, Nutrition Dept. Seirei Mikatabara General Hospital

Mineo Warase, Applied Biochemistry Dept.Faculty of Agriculture,Shizuoka University

Isamu Shibamoto,Rehabilitation Medicin Dept. Seirei Mikatabara General Hospital

 

ABSTRACT

The purpose of this study is to investigate initial food for dysphagia patients.The initial food served to dysphagia patients in our hospital was examined by videofluoroscopic examination for swallowing(VF),Videoendoscopy(VE),and dynamic viscoelasticity. Food used for VF contained barium and were15℃.

Subjects were 56 severe dysphagia patients,who were tested with gelatin jelly and agar in the awallow imaging with identical posture and food quantity from in April~September,1999. We measured the dynamic viscoelasticity of the foods of varying gelatin concentrations under changing temperatures within a frequency range of 0.01Hz to 2Hz.

The result showed gelatin jelly got better swallowing performance on both VF and VE with many dysphagia patients than other food (χ2,p<0.001). We observed an approximate linear equation beween loss tangent tanδ=G”/G’ and τ=η’/G’ and frequency and confirmed that the gelatin concentration range,where the balance of crystallinity and amorphousness is not significantly affected,was suitable for easy swallowing.

Our dynamic viscoelasticity,gelatin jelly performed a lage amount of strain and fluidity with small stress,uniformity of gel,and G”(dynamicloss)/G”(dynamic modulus)=0.1〜1. The results suggest that gelatin jelly is proper food for initial food in dysphagia rehabilitation.

 

Keyword: dysphagia, swallowimg, gelatin , gel ,dynamic viscoelasticity

 

Setsuko Kanaya ‘Nestls’SciencePromotionCommittee’ Annual Report1999,p30-43.

Ref. Editor:Kanaya Setsuko( Former Professor) Dysphagia Diets for Home and Hospital. (2006 1st) ISHIYAKU PUBLISHERS, INC.  7-10,Honkomagome 1 chome,Bunkyo-ku,Tokyo  113-8612,Japan     ISBN978-4-263-21298-1 C3047 ¥3400E 0

image

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嚥下造影によるゼラチンゲルと寒天ゲルの比較 

嚥下造影Pharynx

嚥下造影をゼラチンゲルと寒天ゲルで同一の患者56名に行った結果はTable.5 、Table .6である。

咽頭残留(Table .6)は寒天ゼリーが有意に多く見られた (p<0.001)。きざみ食は誤嚥しやすい。

 

 

2.「嚥下食ピラミッド」の概要
 
「嚥下食ピラミッド」開発の経緯
 2004年に開催された第10回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会の教育講演で金谷節子が、「5段階による嚥下食」の進化・発展形として発表したのが「嚥下食ピラミッド」です。 「嚥下食ピラミッド」では、すべての食事を摂食・嚥下の難易度にもとづいて、普通食から嚥下食までの6段階のレベルに分類し、各レベルごとの食物形態の物性条件を基準化することで、品質管理を行います。 すなわち、訓練食としての嚥下食を「レベル0,1,2」に、次に安定期における嚥下食を「レベル3」、介護食(移行食)を「レベル4」、普通食を「レベル5」とする6段階に層別化したもので、それぞれ「5段階による嚥下食」の(1)開始食 (2)嚥下食Ⅰ (3)嚥下食Ⅱ (4)嚥下食Ⅲ (5)移行食とリンクしています。(図3-2参照)
図3-2 嚥下食ピラミッド

図3-2 嚥下食ピラミッド

 
 この「嚥下食ピラミッド」を基本に、高齢者の場合は、咀嚼能力の低下に応じて「レベル5(普通食)」から「レベル4(介護食)」、「レベル3(嚥下食)」へと咀嚼や嚥下が容易な食品に移行していきます。 逆に、脳卒中の患者では、発症後しばらくの間は経口からの食事はとらず、症状の安定を確認し、「レベル0(開始食)」から始めて「レベル1(嚥下食Ⅰ)」、「レベル2(嚥下食Ⅱ)」と嚥下が難しい食事へと移行します。 このように、喫食者に対応して、難から易、易から難の双方向の機能が成立するのです。
2)難易度レベルの基本定義
① レベル0(開始食)
均質性をもち、重力だけでスムーズに咽頭内を通過する物性を有する食品が該当します。 代表的な例としては、お茶や果汁にゼラチンを加えて作る「お茶ゼリー」、「グレープゼラチンセリー」、「りんごゼリー」などが挙げられます。 1食あたりの栄養量は100ml,100kcalを基準とします。2〜5℃で保存し、喫食時は15℃で提供します。
② レベル1(嚥下食Ⅰ)
均質性をもち、ざらつき、べたつきの少ない、ゼラチン寄せなどの食品が該当します。「ねぎとろ」、「絹ごし豆腐入り味噌汁ゼリー」、「重湯ゼリー」、「全卵蒸し(具のない茶碗蒸し)」、「プリン」、「サーモンムース」などが代表的な例です。 1食あたりの栄養量は300ml,150kcalを基準とします。
③ レベル2(嚥下食Ⅱ)
均質性をもつものの、レベル1に比べて粘性、付着性が高い、ゼラチン寄せなどの食品が該当します。代表的な例として、濃厚流動で作る「ゼリー(ゼラチン濃度1.3w/w%)」、「ヨーグルトにんじんゼリー」などがあります。 1食あたりの栄養量は500ml,300kcalを基準とします。
④ レベル3(嚥下食Ⅲ)
不均質性の、ピューレを中心とする食品が該当します。生クリームや油脂などを食材に加えることで、野菜、根菜類、魚肉類などのさまざまな食材を使って作れるので、普通の食事に近く、レベル2に比較するとメニューの幅が大きく広がります。嚥下寿司などが、代表的な例です。
⑤ レベル4(介護食・移行食)
摂食・嚥下の過程の「3.口腔期」に障がいのある方に対応する食事です。パサつかず、むせにくく、なめらかな、ひと口大の大きさを目安とします。
⑥ レベル5(普通食)
摂食・嚥下障がい者は食べることが困難な、ごく一般的な食事です。
図3-3 嚥下食ピラミッドに対応した段階的食事内容

図3-3 嚥下食ピラミッドに対応した段階的食事内容

 
    3.図書・出版    
 
 
 
image

ベツトサイドから在宅まで使える嚥下食のすべて 編者 金谷 節子

序 嚥下食の作り方

1.嚥下食の理解

2.嚥下機能評価と嚥下食

3.摂食・嚥下の過程における嚥下食

4.在宅における摂食・嚥下アプローチと食生活指導

5.嚥下食の物性的検討

食品ハイドロコロイドの安定性

テクスチャと動的粘弾性測定を関連させて嚥下食を生産する意義

客観的に評価される動的粘弾性測定の意義

6.索引

 

1999年の論文は嚥下食物性の先駆的な論文です、ぜひお読みください。

また、「嚥下食のすべて」(医歯薬出版)に きざみ食の負の歴史評価が書いてありますのでお読みください。

 

3-1 嚥下食レベル別 市販食品

 

image

 

 

 

 

 

 

 

 

⭕️嚥下食ピラミッドによる嚥下食レシピ125 江頭 文江他

Level 0 開始食 みかんゼリー、ピーチゼリー、りんごゼリー、ブイクレスゼリー、粉末緑茶ゼリー
Level 1 嚥下食I 重湯ゼリー、ねぎとろ、全卵蒸し、みそスープゼリー
Level 2 嚥下食II
Level 3 嚥下食III
Level 4 移行食・介護食
Level 5 普通食

⭕️嚥下食ピラミッドによるレベル別市販食品250  栢下 淳他
Level 0 開始食 アイソカルジェリーくりん うめ、ぶどう、みかん、エンゲリードアップルゼリー、フルーツゼリー巨峰味
Level 1 嚥下食I ごまトウフイール、ソフトカップバナナ味、エプリツチイチゴ味、コーヒー味、チョコレート味、白粥
Level 2 嚥下食II
Level 3 嚥下食III
Level 4 移行食・介護食
 
 
販売会社索引(あいうえお順)
大塚製薬株式会社、株式会社小田嶋アクテイー、カルピス株式会社、キツセイ薬品工業株式会社、チチヤス株式会社、
テルモ株式会社、日幸製菓株式会社、日清サイエンス株式会社、株式会社ニチロ、日本デルモンテ、ニュートリー株式会社、ネスレニユートリツシヨン株式会社、ハウス食品株式会社、バランス株式会社、株式会社フードケア、ヘルシーフード株式会社、ホリカフーズ株式会社、株式会社マルゼンフーズ、株式会社マルハチ村松、明治乳業(株式会社明治)、株式会社ヤクルト、和光堂株式会社、
 
 
 
®嚥下食ピラミットは商標登録されています。
2020年6月
« 5月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

最近のコメント

    アーカイブ