食事と栄養対策(6)臨床栄養と新コロナウイルス

Caccialanza R (2020) Nutrition 4月3日110835.  亜鉛等は参考2)へ

新コロナウイルス(COVID-19)入院非重症患者の早期栄養補給:根拠と可能性

Early nutritional supplementation in non-critically ill patients hospitalized for the 2019 novel coronavirus disease (COVID-19): Rationale and feasibility of a shared pragmatic protocol.

 新コロナウイルス 感染者の栄養管理を扱った最初の論文です。感染者は発熱や急速な炎症、呼吸不全などからで食物摂取が減少し、栄養不良の場合が多く、栄養不良は予後のアウトカムが悪いことが予想された。簡易栄養スクリーニングのあと、ハリスベネディクト法による高カロリーONS、ホエイたんぱく質補給(whey protein)、マルチビタミン、マルチミネラル、25-hydroxyvitamin Dを補給をします。対応はこれまでのESPANヨーロッパ食事基準とは異なり、EN(経腸栄養)とPN(経管栄養)を同時に行います。NGT(経鼻胃管栄養)は防護具が特別で感染リスクが高く利用しません。(ESPAN SARA-Cov2ガイドライン(ICUレべル重症者)のダウンロードは文書の最下部にリンク)

 COVID-19の独立前兆マーカーは1)年齢 2)喫煙3)最大体温 4)呼吸不全 5)CRP 6)ALBの6つです。興味深いことに低プレアルブミンレベル(栄養不良のマーカー)は呼吸不全や換気メカニカル進行を予測します。又、不十分な栄養は免疫反応が弱められることが明らかにされている(Wu C 2020JAMA Inter)。その証拠を強化し、栄養上の混乱をCOVID-19に影響された患者において、至急、体系的に管理されるべきです

ABSTRACT (翻訳)
目的
2019年12月に中国武漢で始まった、新コロナウイルス肺炎は流行を引き起こし、急速に全世界に広がっている。イタリアは中国に次ぎ最も大打撃を受けた国です。研究目的は、新コロナウイルスの患者にmalnutritionの有害な影響を与える可能性があり、COVID-19で入院した非重症患者に確実な早期栄養補給の実用的プロトコルを提示する。ほとんどの患者は入院時に重度な炎症とドラステックな食物摂取の減少があり、 拒食がみられる。進行性呼吸不全がかなりの割合である、非侵襲的な換気や継続的な気道陽圧が必要とされる観察ベースに基づく。
方法
1)高カロリー高濃度な食事、それは様々な消化しやすい食品やスナックなどの摂取可能なすべての患者に提供されます。

2)ホエイプロテイン (whey protein)の経口補給とマルチビタミン、マルチミネラル微量元素溶液の静脈内注入が入院時に実施されます。

3) 25-hydroxyvitamin D欠乏の存在下で、コレカルシフェロールが迅速に供給されること。

4) 栄養上のリスクが検出された場合は、タンパク質カロリーの経口栄養サプリメント(ONS)が2〜3ボトル提供されます。ONSの2ボトル未満/日が2日間連続して消費された場合や呼吸状態が悪化している場合は、補足的に完全な非経口栄養が処方されます。

結論
私たちのストレートなアプローチに議論の余地があることは認識してる。それは現在の緊急事態危機に対処するために、その目的は新コロナウイルス患者の栄養ケアーである潜在的に有益で効果的なクリニカルアウトカムの見通しと患者らが栄養不良となる事を予防する実用的プロトコールを実施することです。


キーワード
新コロナウイルス病、栄養不良、栄養サポート、経口栄養サプリメント; 実用的プロトコル。25-hydroxyvitamin D、ホエイプロテイン(whey proteins)

 

R. Caccialalanza /Nutrition (2020)110835

非重症患者の早期栄養補給プロトコール ONS:経口栄養サプリメントRDA:推奨量 TG:triacyglyceride           

入院時記録   体系的補給の開始
・体重、身長* – ホエイたんぱく質20g/日(1〜2回 食事中に)
・生化学的パラメータ †

– RDAマルチビタミン、マルチミネラル(毎日)      (例)100/250ml生理食塩水溶液中

 

-Cholecalciferol     50000UI又は25000UI/     血清25-hydroxyvitamin D <20 or≧20<30 ng/ml

          

  簡易栄養スクリーニング Yes No
1 BMI <22kg/m2 ?     
2 過去3ケ月間に患者に体重減少は?    
3 患者は食物摂取を減らしたか、次の数日間減らしますか?    

     ↓

      入院中

  患者がONSに耐えられない場合 (2ボトル/日の連続摂取)
  呼吸状態が悪化した場合、臨床栄養・栄養学ユニットに連絡する
  非経口栄養療法の処方と実施、厳格な生化学的モニタリング ‡
  * 参照値又は推奨値を利用する。スケールが衛生上の理由で使えない場合†Albumin、transferrin 、prealbumin、glucose、腎(creatinie、尿素窒  素)、肝(chlinesterase、aspartate amino-transfererase、alanine amino-transfererase、γ-glutamyl transfererase)電解質( Na,K、chorine 、Ca、P、Mg)‡Yesの場合は補給を開始する(食事直後、間食に高カロリーONS(2〜3ボトル125/200ml)600〜900kcal、たんぱく質35g〜55g)

 

  EN(経腸栄養栄養法)を実施できない場合はPN(静脈栄養法)を選択するがESPENガイドラインだが、COVID-19ではONSとPN(経管栄養法)を同時に使うと主張します。その場合PNはART(抗レトロウイルス療法)を遵守した。

 

参考1) ART(抗レトロウイルス療法)はDikman AE(2015)

エイたんぱく質と25-hydroxyvitamin D、マルチビタミン、マルチミネラル*HIV患者半数の下痢はART遵守で悪影響を及ぼすが米国承認クロフェレマーはHIV患者の下痢症状を改善する。MAC(図灰色線) Mycobacterium avium complexにより免疫は大きく抑制(CD4+T細胞<50cell/mm3されるがART(抗ウイルス療法)によってCD4+T細胞数が回復する(図、点線 省略)

参考2) 新コロナ食事と栄養の健康自主管理(案 ) 

1)亜鉛サプリ 2)ライオンTI-2711 3)クレスチン・緑茶カテキンウイルスを細胞内・産業廃棄物処理場のリソソームで無力化する。

4)EGCG、クルクミン。舞茸→COVID-19ACE2による感染をブロック

5)ホエイたんばく質(40才以上)  6)ビタミン D3A,C→ウイルス侵入をブロック

7)食事は抗酸化力の高い食事(ORAC20-30%アップ)EGCG、スパイスたっぷりのカレーなど→Nrf2を活性化して、気道上皮細胞、肺胞細胞の抗プロテアーゼ活性を円滑にする、ウイルス侵入の酸化ストレスを軽減する。

課題 85Gの健康への安全性を確保

Zn2+欠乏は高齢者や心疾患、慢性肺疾患、糖尿病で頻繁に発生する。マラリア薬の経口処方薬CQ(クロロキン)やHCQ(ヒドロキシクロロキン)はSARS-Cov2に対するinVitro活性が実証されており、最近の中国の臨床試験でCOVID-19患者へのCQ治療がコントロールに対して臨床的利益をもたらし、ウイルス感染と死亡率の低下が見られ緊急にFDA認可を受けている( R.Derwand 2020)。 

 

      Philippe Gautret (2020) Int J Antimicrob Agents #

 フランスではSARS-Cov2患者にHQCとアジシロマイシンの15名のRCT研究が行われ(Philippe Gautret 2020、Aartian V 2010)。回復の目安・平均ウイルス量減少が20日→6日になる(PCR陽性鼻咽頭サンプル検査から)、投与量はHCQが600mg/日、アジシロマイシンは初回500mg/日、2日目以降250mg、血清濃度HCQ0.46μg/ml±0.2(n=20)で図参照のように、6日後に患者の70%がウイルスが量が減少。Control群は12.5%だった(P=0.001)。日本でアビガンの場合は11日→4日になるという(抗体検査結果では児玉龍男・東大先端研)、

インドが6月16日HCQを国内医療者に許可したと同時にWHOはHCQのCOVID-19緊急薬認可をLancetの亜鉛の有無を曖昧にしてHCQの効果がなかつたという、不十分な報告を根拠にHCQ認可を取り消したのです。しかし、NYU Grossman医学部はHCQ+AZM亜鉛あり411名とHCQ+AZM亜鉛なし521名のobservational retrospective analysisを行った。結果 は表のように亜鉛サプリ有りの自宅へ退院のOR=1.53倍の速さと死亡率OR=45%減少 効果が統計的有意に示された。新型コロナウイルスパンデミック対応にHCQは有効だと述べた。

  HCQAZM+Zn有

HCQAZMZn無

OR  95%CI  P値
自宅へ退院 317人(77.4%) 356人(68.3%) 1.53(1.12-2.09) 0.008
死亡率減少 26人(6.9%) 58(13.2%) 0.45(0.27-0.74) 0.002
   

英語圏の医師はHCQ,AZM,亜鉛の投与は3日間で自宅治癒し90%に効果が有り、経済的支出は$50(約5500円程度)である。マルセイユ研究所のタックスフォースは3737人(45±17才)のCOVID-19(武漢肺炎、SARS_Cov2)はHCQ500mg、AZM500mg,2日目から250mgで他よりはるかに優れた臨床的転帰とより敏速なウイルス量の減少に繋がったと述べている(Jean-Christophe L.2020 Travel Med Infect Dis)。WHOと癒着している米ギリアド。サイエンシズ社はレムデシベル治療薬を先日1名25万円に価格設定し、7月2日には1本$390(41600円/1本)6本投与(6日間か?)、今後3ヶ月間生産した全量を米国が買い取ることで合意した(競争は激しい)。コストは臨床効果と同一でないことを認識しましょう。今後の研究進歩に要注目です。HCQは$50、レムデシベルは$2340と49倍高い、インド、フランスなどはHCQ+AZM+亜鉛サプリで進みそうです。EGCG等も有力候補です。民間感染予防として上記HCQ代用サプリと食事(ORAC食)による感染予防が各自の健康自主管理には選択肢でしよう。

研究に続き、腎機能が正常で薬忌のない成人であれば、Zn 40mgの経口用量または(硫酸亜鉛)を追加して臨床試験を実施することが提案されている。これは日本の複数感染者が味覚が失われて味がなかったと証言している事から、体内にある2gの亜鉛がウイルスとの戦いで消費尽くされた結果としてみかくに必須のミネラルである亜鉛が枯渇してしまったと考えることもできる。

フランスの研究からHCQはZnイオノフォアとして働き、細胞外のZn2+をウイルスが侵入した細胞内にZn+2を引き込み細胞内濃度を上昇させればRNAポリメラーゼを直接阻害すると考えるようになった。いくつかの臨床試験からCQ/HCQは細胞内小胞pHを上昇させ、SARS-CoV-2複製を阻害する、抗ウイルス効果、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性(RdRp)を阻害し、SARS-Cov2複製を阻害する。

HCQとアジシロマイシンは新型コロナ情報に精通したトランプ大統領も使っている。レムデシベル1錠1000ドルに比べて0.67ドル/錠とコストパフォーマンスが1/1490ととても良く安価である。亜鉛を追加しても変わらないほどだ。それでも一般人にはPCR検査さえせず、stay at homeの状態であるならば、ある物理学者が、類似した提案をしている。それはZnイオノフォアは(クレスチンや緑茶カテキン)、ライオンTI-2711(アジシロマイシンの代用)でプレボテラ菌の除去、亜鉛サプリ(クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛の両者は互角; Rita Wegmuller 2014)、を加えるものである。このアイデアは最先端の臨床試験に提案されている組み合わせにごく近いもので、各人の健康自主管理対策になります。どれもnetで購入可能です。

Zn45mg/日を12ケ月投与した報告もあり、40mg/日に経口摂取はやってみて可能。フランス、マルセイユ病院の成果に準じて、Zn2+によるウイルス消去を期待しつつ、インド科学者によるSARS-Cov2治療薬候補のリストにEGCGやクルクミン、舞茸がCOVID-19ACE2からの侵入をHCQ以上によくブロックする研究の成果を取り入れて、EGCG800mg/日、クルクミン500mg/日。舞茸2g/日を追加します。

 

ホエイたんぱく質⌘は必須アミノ酸9種類を高品質含有した標準たんぱく質と見なせます。又、硫黄含有グルタチオンの前駆物質を高含有し、免疫応答にプラスの影響を与える事が証明されています。酸化防止剤等トリペプチドです。ホエイたんぱく質の分岐鎖アミノ酸(isoleucine、leucine 、valine)、特にleucineはたんぱく質分解が増加した条件下で筋肉消耗を最小限に抑えます。

25-hydroxyvitamin D 低血清25OHはHIV感染者に一般的に認められ(有病率は、ウイルス学的な失敗の独立した危険因子である。(有病率は49%(27%-78%)n=441)で、低血清25OHはヒト免疫不全ウイルス(HIV)進行、死亡リスクは増加したHR=2.13(1.09-4.18)Havers F(2014)。血清25OH欠乏は慢性HIV疾患中に持続的炎症増加や単球表現型(IL-6)活性化に関連している。日本人の食事摂取量基準での血清25OHD濃度はかなり低い(マイウ U 2017)。食事摂取量基準の2〜3倍(20μg/日(800IU/日))摂取試験でも20ng/ml以下が大半である。高齢者の老健施設64名の血清25OHD濃度で不足レベルは10ng/ml〜20nm/mlが多く、20ng/mlに到達したのは6%だった(桑原2016)。又、微量栄養素ビタミン、ミネラルを補給することはHIV陽性成人の死亡率とHIV感染罹患率を減少させる(Visser ME 2017)。

⌘ホエイたんぱく質(whey protein)と呼吸器(気道細胞、肺胞細胞)については(食事と栄養対策(5)-TMPRSS2を抗酸化物質でブロックする武漢肺炎(SARS-Cov2)を参考にしてください。

 

まとめ

栄養状態がCOVID-19ウイルス感染リスクに影響します。SARS-Cov2への非重症(軽・中等度)患者への早期栄養補給プロトコールと簡易栄養スクリーニングがイタリアの臨床栄養・栄養学ユニットにより最初の対応が示された。新コロナウイルスの患者がmalnutritionは有害な影響があり、ホエイたんぱく質を25-hydroxyvitamin Dは血清濃度を測定し、30ng/mlのノーマルを保持してください、マルチビタミン、マルチミネラルの栄養介入をおこなってください。ESPEN SARS-Cov2ガイドライン(ICUレベル重症患者)では肺炎と低栄養は高死亡リスクです。SARS-Cov2への臨床栄養の取り組みは医師・管理栄養士・看護師・医療専門家はもとより一般人のSARS-Cov2(新コロナ)予防の助けになると思います(牛乳500cc〜1L/日とD3を50000 UI/週は十分摂取可能です) 。

 

参考文献

ESPEN SARS-Cov2ガイドライン (2020)3月24日 ICUの栄養マネージメント

1)ウイルス OR7.1、低栄養OR 25.0、院内感染OR12.3、呼吸不全OR125.0、X線の肺腫傷OR6.1 (COVID-19多因子解析ステートメント1)Rocco Barazzoni et al., Espen expert statements and practical guidance for nutritional management of individuals with sars-cov-2 infection.

https://www.espen.org/files/Espen_expert_statements_and_practical_guidance_for_nutritional_management_of_individuals_with_sars-cov-2_infection.pdf 

 

 

#SARS-Cov2  #COVID-19 #ACE2  #栄養失調 #ホエイたんぱく質 #25-hydroxyvitamin D、#マルチビタミン、#マルチミネラル #低プレアルブミン

# Gautret P, Lagier JC, Parola P, et al. Hydroxychloroquine and azithromycin as a treatment of COVID-19: results of an open-label non-randomized clinical trial [published online ahead of print, 2020 Mar 20]. Int J Antimicrob Agents. 2020;105949. doi:10.1016/j.ijantimicag.2020.105949

 

 

更新     2020年7月02日

更新     2020年5月27日

更新     2020年4月25日

更新     2020年4月21日

投稿     2020年4月17日

 


コメントを残す

2020年7月
« 5月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近のコメント

    アーカイブ